VOL.93 イギリスの偉大なハーバリスト、ジョン・パーキンソン
コラム
近世ヨーロッパ・イギリスで活躍したハーバリスト、
ジョン・パーキンソンです。
ジョン・パーキンソンは、イギリスの偉大なハーバリストであると同時に、植物学者、博物学者、造園者でもありました。
若き頃からすでに薬剤師を目指しており、14歳で見習い薬剤師になるためにロンドンに移住します。
その後、ジェームズ1世の薬剤師となり、チャールズ1世にも仕えます。
「王室主席植物学者」の称号を与えられた人物でもあります。
出世街道、まっしぐらという感じですね。
彼の著書『広範囲の本草学書』は、当時、移住者の必須アイテムとして、移住者とともにアメリカ大陸に広められました。
また『日のあたる楽園、地上の楽園』という著書は、植物の正確な栽培法が記された「もっとも美しい園芸書」として現在でも有名です。タイトルもまた小説っぽくてすてきですよね。
優れた造園家だった彼は、
海外の珍しい植物を収集して、
現在のトラファルガー広場近くの
コヴェントガーデンに広大な個人庭園を作りました。
その庭園にはイギリスをはじめ、世界のハーバリストや植物学者や薬剤師たちが集まり、親しく交流したと言われています。
いわば、植物・薬草学の専門家たちのサロン的な場所となったわけですね。
イギリスの庭園がナチュラルで美しいのは、彼らハーバリストたちの貢献があったからこそ……かもしれません。
(島みるを)
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